2018年6月14日木曜日

いわゆる「親なきあと」問題について

権利擁護たかつき高岡さんの助言も得て、成年後見人の複数選任と遺言で対応しようというのが当初の方針だった。
その後、家族信託も組み合わせたスキームの検討に入り、親御さんと相談しつつ大方の枠組みは作れたが、どうもスッキリしない。理由は分からないが、それで間違いなく依頼者たちの利益に適うという確信、ピタッとはまった感覚がないのだ。



この本を読んでその原因が分かった。徹底して依頼者たちのニーズを把握する姿勢が欠けていたのだ。彼女たちの置かれている客観的状況とそこから生じるニーズを漠然とした把握にとどまったままで自分の思考枠組みを無理やり当てはめようとしていたことに気づいた。弁護士がついついやってしまう、典型的だけど致命的なミス。この本のお陰で、実行に移す前に気づくことが出来た。

まだ代替案を構成できたわけではないが、考え方の方向性は見えたような気がする。前著も感銘を受けたが、具体的な指針をいくつも提示してくれているこちらの方が僕ら実務家にはさらにありがたい。

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