2016年7月9日土曜日

自衛隊員の命を守る野党(維新除く)への1票

今回選挙の最大争点が、自民公明維新の改憲勢力が改憲発議に必要な3分の2議席を獲得するかどうかであることは間違いないでしょう。
しかし僕は、昨年成立した安保法制がこのまま運用されるに至るのか、それともここで歯止めがかかるのかという点もその次に大事な争点だと考えています。
その点に関して言えば、その時々の政権与党の政治的判断のためには自衛隊員が命を犠牲にするのはやむなしと考える人は自民公明維新に、自衛隊員が命をかけるのは国民を守るためだけであるべしという人は民進共産社民生活の4野党を選ぶべきです。

安保法制に関しては賛成だろうが反対だろうがいろいろ意見を言う前に、まずは実物を見てほしいと、いつも声を大にして言っています。実物と言っても、内閣官房がHPに上げてくれているこの新旧対照表を見るだけでいいのです。
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/pdf/sinkyuu-heiwaanzenhouseiseibihou.pdf
今回の安保法制で改正した部分に線が引いてあります。最初は全部に目を通すのはしんどいでしょうから、下部の旧法欄に(新設)と書いてある条項をチェックしていくだけでも十分です。
(新設)と書いてあるところは文字通り、今回の安保法制で新しく付け加えられた条項、平たく言えば自衛隊の新たな任務です。そしてこれをずーとチェックしていけば、日本を守るための新設条項はただの一つもないことに誰でも気がつくはずです。この安保法制で新たに自衛隊に課された任務は一つ残らず全て日本とその周辺地域を離れた場所での任務です。

そして、唯一の新法である国際平和協力支援法はこちら。
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/pdf/anbun-kokusaiheiwasienhou.pdf
こっちはただの法文なので読みにくいでしょうが、とりあえず3条と別表だけ見れば全容が分かります。要するに「国際共同対処事態に際し」「外国の軍隊その他これに類する組織」への支援行動を自衛隊に課す法律です。

テレビのインタビューでこの安保法制によって日本の安全保障は向上するという立場の田母神俊雄さんも、安倍首相の説明はおかしいと言っていました。安倍さんが「自衛隊員のリスクも増えないし、日本の安全性も向上する」と言っていたのに対し、田母神さんは「自衛隊員のリスクは上がるが、その代わり日本の安全は向上するというべきだ」とおっしゃっていました。
この新制度で日本の安全が向上するかどうかは議論の余地があるところですが、自衛隊員のリスクが高まることは間違いありません。海外の紛争地での任務を大幅拡大するものなのだから、このことは法文上明らかです。だから、仮に安保法制に賛成するなら、自衛隊員の方たちに「どうか私たちの安全のために海外の紛争地で命を犠牲にして下さい。その代わり、あなたが亡くなったときの遺族補償や怪我して帰ってきたときの補償はきちんと責任を持ちますから」と頭を下げるべきなのです。

そしてこの「安全保障外交のために兵士の命を犠牲にする」政策をとってきたのが日本以外の西側先進諸国であり、その代表がアメリカとともにアフガン・イラクに攻め込んだイギリスと言って良いでしょう。そのイギリスの独立調査員会は先日、イラク戦争は不必要不適切な戦争だったとの調査結果を発表しました。そして、その発表を受けて亡くなった兵士たちの遺族は、自分の愛する人が犬死にさせられたことを知って悲嘆に暮れています。
http://edition.cnn.com/2016/07/06/europe/uk-iraq-inquiry-chilcot-report/index.html

イギリスが経験した取り返しのつかない過ちを日本にもたどらせるための法律が、この新安保法制です。この法律を通した自民公明はもちろん、おおさか維新も集団的自衛権行使にのみ手続要件加重を求めているだけで、紛争地での任務を拡大すること自体には全く反対していません。
https://o-ishin.jp/election/sangiin2016/pdf/manifest_detail.pdf
したがって自衛隊員やその家族の方、自衛隊員を無駄死にさせたくないという人は今回すべからく、4野党に投票すべきです。自衛隊員ひとりひとりの命を守るのは、わたしたちの1票です。

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