このリッチモンドという街は、僕が住んでいたバークレーの少し北にある街です。コストコがあったので周囲の人はよく行っていたし、友人も住んでいたので、本来なら1度くらい行っててもおかしくない街です。だけど、ニュース報道を見ていると殺人事件が本当に日常茶飯事で、高速道路を普通に走行してたら流れ弾に当たって怪我したなんて事件もあったので、僕は恐ろしくて結局1度もリッチモンドには行きませんでした。
殺人事件が日常茶飯事ということは、ギャング同士の抗争が多いことを意味します。昔からあるシェルの化学工場が数年ごとに爆発事故を起こしてガスが流れるので、リッチモンド市役所には職員が一押しすれば市内全世帯に「窓を閉めて外に出るな!」との電話が一斉にかかるボタンも設置してあります(僕の在米中も1度ありました)。必然的に所得が低い階層が多く住むこととなり、貧困の連鎖の中でアフリカンアメリカンの若者の中には、殺すか殺されるかの道を選ぶしかない人たちも多いことでしょう。
文字通り警官が命懸けの職業であるこの街で、警察署長が警官の過剰な暴力に抗議する市民活動に参加したというのは本当に凄いことだと思います。
オキュパイ運動の時も、市民を弾圧するように市長から指示されて「それは我々の仕事ではありません」と毅然と拒否した警察署長がいましたが、良くも悪くも、そういう振り幅の広さがアメリカの魅力だと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。