2016年10月22日土曜日

Like A Rolling Stone

学生時代(90年代)、後輩に教えてもらって知ったボブ・ディラン。一時期、毎日のように聴いていた。
で、表題の名曲ライクアローリングストーン。ノーベル賞受賞を契機にやたら耳にするようになって、英語発音練習の題材としてなかなか面白いなと気付いた次第。

サビの部分、
How does it feel?
僕の耳には「はうだずいっふぃーゆ」と聞こえる。

日米英語学院の高木先生に教えていただいた耳から聞こえたままを平仮名あるいは片仮名で表記し、それを繰り返し発音する練習法はとても有効なんだけど、その前提部分「耳から聞こえたままを書き取る」ことが難しい。この音はこうだという先入観に邪魔されるからだろう。
僕が一番苦労したのがLの音。Rとは違うと分かっていても、どちらも日本語のラ行「らりるれろ」に近い音だという認識をなかなか改められなかったからだ。留学先の発音クラスでインストラクターから「君のR音はそのままでも許容範囲内だけど、L音は聞き取れない」と言われたとき、L音はラ行ではないと割り切ることができた。加えて、schoolなど語尾にL音が来る単語を使うときに聞き取れないと言われることが多きことにも気付いた。

そこで、テレビドラマなどでアメリカ人がschoolfeelをどう発音しているのか確認してみると、前者は「すくーう」後者は「ふぃーゆ」に聞こえる。試しに発話してみると、こっちの方がネイティブの発音に近い。これをきっかけにL音が語尾に来ると、日本語のラ行よりもヤ行に近いと認識を改めた。

T音も多くの日本語話者にとって、なかなかハードルの高い音だろう。L音と同じくT単独つまり日本語には存在しない子音のみの音として現れる単語が多いからだ。TTであって「たちつてと」でもなければ「TaTiTuTeTo」でもない。あえていえば、チッという舌打ちの音が近いだろうか。T単独の音はその難しさを意識しててもなかなかネイティブのような音にはならない。そこで高木先生に教えてもらった方法の応用、単語や文章ごとに日本語でより近い音をさがしてみる。その結果、itのように語尾にTが来る単語がHow does it feelと分の真ん中に入るときは「いっ」、Tをむしろ意識しないことにした。これがitが文末に来ると、例えばWhat is it? なら「わてぃずいっ」、やはりT音を無理に発音しようとはしないけど、舌を上前歯に当てた状態で終えることでT音のニュアンスを出すことにしている。
Tが文頭に来るとさらに難しい。例えばtrain。なんど聞いても音が耳に入ってこない。ネイティブがあの音をどうやって出しているのか、想像もつかない。そこで変則的だけど、ネイティブではなく英語上級者の発音を真似てみる。「ちゅれいん」、こう発音している人が多い。そう、trainは「トレイン」ではなく「チュレイン」の方が近いのだ。

じゃあ、ジャパニーズロックの名曲「トレイントレイン」は「チュレインチュレイン」の方が正しいのか?そんな馬鹿な話はない。「栄光に向かって走るあの列車」は日本語の「トレイン」であって、英語の「train」ではない。英語は英語、日本語は日本語。いずれにせよ、転がり続ける石のように苔の付かないLike A Rolling Stoneな精神が体現された楽曲は、日本語を使ってようが英語を使ってようがいつの時代のものであっても格好いい。





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