夜間学校英語クラスのクラスメイトだったトルコ人女性は、2歳の男の子のお母さんで元小学校教師。夫が地震学者でバークレーに来る前は東北大学に留学していたので、311は仙台で被災している。彼女は日本語が堪能だったけど互いに英語が苦手だったから、僕らはいつも頑張って英語で会話するようにしていた。
彼女が小学校で教師をしていたとき、トルコ政府は学校内でヒジャブの着用を禁じる法律を制定した。やむをえず髪の毛をさらして初めて教壇に立った日、彼女は職員室に帰ってから泣いたという。
物心ついたときから人前に出るときはヒジャブを被っていた彼女にとっては、下着姿或いは裸で人前に出るようなものだったのだろうか。それでも子どもたちの前ではけっして泣かなかったところが、彼女の教師としての矜持だったのだろう。
いつも彼女と一緒にいた親友は、ヒジャブを一切被らないテキスタイル・エンジニア。そういう多文化他宗教の寛容性を持った国がトルコだと思っていたし、当時ちょうどクルドとの停戦協定が成った直後でこれから良い方向に進むと思っていただけに、怪しい方向に進むトルコの現実に驚いた。
イスラム国(IS)の台頭後、シリアとの関わり方を巡ってロシアとも事実上の戦争状態となったトルコ。あこがれの国は気軽に観光目的で訪問できる場所ではなくなったように見える。そこでとどめを刺すかのような今回のクーデター。強権的すぎるエルドラン大統領の政策には何一つ賛同できるところはなく常々はやく退陣すればいいのにと思っていたけど、軍部のクーデターでひっくり返るのは最悪。今回ばかりは何とか乗り切ってほしい。戦車の前に身を挺して立ちふさがる、トルコの人々を支持します。
BBC
http://www.bbc.com/news/live/world-europe-36811357
アルジャジーラ
http://www.aljazeera.com/news/2016/07/turkey-prime-minister-coup-attempt-foiled-160716001125028.html
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