英国ドラマ「刑事フォイル」ファーストシーズン第2話より、反ユダヤ主義者たちのパーティーシーンでの会話。
BBCの放送はもはや信じられん。作り話ばかりね。
ロンドンにはユダヤ人がはびこっている。ホテルもユダヤ人だらけ。ぞっとする。
マナー知らずで不正ばかり。最低の人種よ。
新聞社はユダヤ人に支配されている。
ドイツで迫害されたって自業自得だわ。
あくまでこのドラマはフィクションとはいえ、これらの登場人物たちの発言は、1940年代当時のイギリス社会において実際に流布されていた言説に基づいてい るのだろう。驚くべきは、これらの「ユダヤ人」の部分を「中国人」「朝鮮人」「韓国人」と入れ替えれば、すっかりそのまま現代日本でのそれと同じになって しまうことだ。
イギリスがドイツとの戦争真っ直中であった1940年から始まるファーストシーズン、当時のイギリスに反ユダヤ主義やナチス信奉者もいた一方で、ドイツ系やイタリア系住人に対する排外主義と迫害があったことを描き出している。
原題「FOYLE’S WAR」の「WAR」には、フォイルの本来の職務である犯罪との闘いのほかに、ドイツとの戦争、権力腐敗との闘い、招集された息子を心配する父親としての不安との闘いなどな ど、様々な意味が込められているのだろう。そう考えると、「刑事フォイル」は良く出来た邦題だとは思うが、原題のニュアンスを完全に失ってしまっているの は残念。
それにしても「グランチェスター」といいこの「刑事フォイル」といい、どうしてイギリスのサスペンスドラマはこうも重厚なのだろうか。
俳優がまた素晴らしい。特にこの第2話で反ユダヤ主義者の首領を演じているチャールズ・ダンス(Charles Dance)。Game of Thronesシリーズの冷徹な君主タイウィン・ラニスター役もそうとう魅力的だったけど、こういう威厳のある悪役をやらせるとこの人の右に出る者はいないんじゃないかと思わせられる。
刑事フォイル|NHK BSプレミアム 海外ドラマ - NHK.com
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/foyle/
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