2016年8月2日火曜日

日本と外国と柔道と柔術

AFP通信
「日本の精神」を学んでブラジル柔道を強化、仏出身のメディさん
http://www.afpbb.com/articles/-/3094597?act=all

「100年以上前に日本で生まれた柔道では、規律や礼儀、上下関係を重視する。無法と隣り合わせの奔放さを持つブラジルの文化とは、まったく相容れないといってもいい世界だ。」

僕がちょっとだけ通っていたラルフ・グレイシー柔術アカデミーではみんなそこそこ礼儀正しかったので、これはちょっと意外。アメリカとブラジルでけっこう差があるのか?それとも同じブラジルでも柔術と柔道でも文化が違うのか。

ラルフ・グレイシーでは柔道と柔術のクラス両方に顔を出してたけど挨拶の作法なんかが微妙に違ってて、柔道の方がやはり日本風で少し堅苦しかった。インストラクターは同じ人だったりするから、時間によって作法が変わるのが妙に面白かった。

柔術の練習中にいちど「我々はみんな対等だけどインストラクター側はより多くの経験を積み重ねているのだから一定のリスペクトを持った態度で接するように」との注意があった。叱るような口調ではなく実にフラットな言い方で、その瞬間に道場内に「なるほど。そらそうだよな」という雰囲気が流れた。指導者を敬って当然で済ますのではなく、こういうことをきちんと言葉にして説明するところに感銘を受けた。
他方で、彼らインストラクターは生徒に自分たちをファーストネームで呼ばせる。会話に敬語を使うこともない。生徒同士も互いの年齢のことは全く気にしない。みんながみんな互いの人格を尊重し、礼を尽くす。フランクさと礼儀正しさは両立することをここで学んだ。

指導者や目上の者が無条件に偉い日本社会よりむしろ、そういったしがらみのない外国の方が、対戦相手や練習相手を尊重する武道の真髄が現れやすいのかもしれない。そしてそれは、道場内の全員が全員と握手をしながらお礼を言って練習を終えるブラジリアン柔術の作法に端的に現れているように思う。


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